英語を学ぶなら、まずは発音から。その理由と学習法。
■発音は絶対最初にきっちり理解すべき。そうしないと、後の英語学習が大変になる。
- 理由その1。発音を理解しないと正しく聞き取れない。「ハットって聞こえたけどhutかhatか分かんない」、だと巨大なハンデを背負ってリスニングしているに等しい。
- 理由その2。発音を理解しないとしゃべっても伝わらない。しゃべる時に発音を間違えるってことは、自分が言いたいことから意味が変わっちゃうってこと。日本人なまりをバカにされても別に問題ないけど、意味が変わっちゃったら大問題。
- 理由その3。発音をおろそかにすると、その後に使えない語彙が増える。一つの語彙は、①どう発音されるか ②どんな意味を持つか ③文字でどう書かれるか、の3要素で成り立っている。しかし発音を軽視したまま学習を進めた人は、①が抜け落ちた状態で語彙を記憶しちゃう。そして、文字で読むと意味がわかるが、聞き取れない&しゃべれないという全く使えない語彙リストができあがる。
■じゃあ何やればいいのさ?
- まず発音記号を学ぶ。(それぞれの発音記号がどのように発音されるかを学ぶ。)これは、英語の音声を認知するためのツールを手に入れることにあたる。
- 語彙を学習するときに、「音(どう発音されるか)」を必ず一緒にインプットする。文字・発音記号だけでなく、かならず音声でインプットする。
発音の全体を短時間で学ぶのに、以下のBBCのサイトがおすすめ。ひととおりやって2時間ぐらいで終わると思う。
BBC Learning English - The Sounds of English / Introduction to The Sounds of English
以下のそれぞれの発音記号について、使われる基本単語とともに説明されています。それぞれの発音記号について、1〜3分ぐらい。
(注意:以下の発音記号のリンクからはBBC Learning Englishの旧サイトに行きます。上記の現サイト、旧サイトとも同じ動画を見る事ができます。)
※参考までyoutubu上にあるものを貼付けます。(Lの説明です。Rとの違いも説明されています。)
このサイトは以下の点がいいです。
- 発音記号の全体を網羅していて、それぞれの説明が簡潔。
- 英語学習者がつまづきやすいポイントを重点的に説明している。(例:lとrの違い)
- ところどころにイギリスらしいユーモアが仕込まれていてなごむ。
<補足&注意点とアドバイス>
- 説明が英語なので面食らう人もいるかも。。。でもこれも勉強ということで。vowel:母音、consonant:子音です
- 日本人が苦手なのは、「ア」に近い3つの母音。hutの/ ʌ /, hotの/ ɒ /, hatの/æ/ 。
- 日本人が苦手その2、/ l /と/ r /。/ r /は犬のうなり声のイメージ
- 日本人が苦手その3、/ n /と/ ŋ /の違い。/ ŋ /は決してngではないよ。 / n /は鼻に抜ける、/ ŋ /はのどを閉じる。
- / ə / (シュワと言います)に要注意。日本語には無く、カタカナでは表せない、英語独特の発音だと強く意識しよう!
- 母音の連続、例えば / aɪ /, / ɔɪ /はそのまま固まりで発音する。決して / a /+/ ɪ /ではない。(そもそも単独の / a /というのは発音記号の中には無い。)
- 自分で発音してみて、ネイティブにどう聞こえたか判定してもらうと効果的。例:lightとrightを自分なりに発音して、ネイティブにどちらに聞こえたか判定してもらう。
■発音記号を一通りやってから、英語の歌を聞いてみよう。違って聞こえる!はず!
英語の歌詞を発音記号に置き換えて聞いてみると、実際に発音記号の通りに歌っていることが分かります。この勉強方法は松澤喜好さんの「英語耳」に書かれていた内容です。
"True Colors"の前半の歌詞を、下に発音記号と併せて記載します。
You with a sad eyes
/ jʊ wɪð ə sæd aɪz /
Don't be discouraged
/ dóunt bɪ dɪskə́ːrɪdʒd /
Oh I realize
/ ɔʊ aɪ ríːəlàɪz /
It's hard to take courage
/ ɪts hɑ́ːrd tə téɪk kə́rɪdʒ /
In a world full of people
/ ɪn ə wə́ːrld fʊ́l əv pɪ́ːpl /
You can lose sight of it all
/ jʊ kən lúːz sáɪt əv ɪt ɔ́ːl /
And the darkness inside you
/ ənd ðə dɑ́ːrknəs ɪnsáɪd jʊ /
Can make you feel so small
/ kən méɪk jʊ fíːl sə smɔ́ːl /
But I see your true colors/ bət aɪ sɪ́ː jʊər trúː kʌ́lərz /
Shining through
/ ʃáɪnɪŋ θrúː /
I see your true colors
/ aɪ sɪ́ː jʊər trúː kʌ́lərz /
And that's why I love you
/ ənd ðǽts wáɪ aɪ lʌ́v jʊ /
So don't be afraid to let them show
/ sə dóʊnt bɪ əfréɪd tə lét ðəm ʃóu /
Your true colors
/ jʊər trúː kʌ́lərz /
True colors are beautiful,
/ trúː kʌ́lərz ər bjúːtəfl /
Like a rainbow
/ láɪk ə réɪmbòu /
日本語と英語で、単語を聞き取る/発音するときの大きな違い、それは「日本語の単語は『つながり』で発音される、英語の単語は『かたまり』で発音される」こと。このテーマはちょっと重たいので、また改めて書きます。
■さいごに
発音の学習は大変です。それは『音声の新しい認知方法を受け入れること』だから。カタカナでは表せない音があるって、最初は本当にストレスフル。でも、これを受け入れることさえできれば、30歳でも40歳でも50歳でも、きっと正しい英語の発音はマスターできるはず。一緒にがんばりましょう!